harashooooo1031’s blog

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クラウドソーシングでの契約書作成について。

フリーランスにとって、契約書がなぜ大事なのか?

 

契約書とは、契約内容を明確にするための書類のことです。

この契約書をかわさなければ、

・報酬がしっかり支払われなかった

・何度も修正を依頼され、膨大な手間と時間がかかった

 

などが起こったりします。また、逆に

 

・期限までに納品がされなかった

・納品物が希望していたものと全然違った

 

などの理由をつけられ報酬が支払われないケースもあります。

 

契約書に関しては、クライアントが支持する場合もありますが、そうでない場合は

お互いの利益を守るため、また利害を一致されるためにも自ら作成する必要があります。

テンプレートを使えば簡単に作成することができるので、契約の際に提示できるように作っておきましょう。

 

契約書を作成する上でのポイント

 

1.業務範囲

たとえばWebサイトの制作という案件なら制作完了までが業務なのか、それともホームページの更新作業まで請け負うのか、といった点をはっきりさせておきましょう。業務の範囲を決めていなければ、これもやってくれと後付で業務が増え、報酬は変わらないという事態に陥る可能性があります。

 

2.価格や報酬、支払い期限

一番重要な部分ですが、金額については「別途協議のうえ決定した金額」や「仕様書に定める通り」などと記し、具体的な金額については触れないこともあります。このような場合には、仕様書や協議内容をしっかりチェックしましょう。

また、税金の取り扱いについても明記しましょう。

 

3.着手金

仕事を開始する前に、クライアントから報酬の一部を着手金として受け取ることもできます。このことでフリーランスは全額お金が受け取れない、という心配がなくなり、クライアントにとっても先払いしている分、フリーランスにしっかりした仕事を求めやすくなります。

着手金の金額は報酬の〇%かを任意で設定し、入金確認後すぐ業務を始めることなどを契約書に盛り込んでおきます。もしクライアントの都合で案件が途中キャンセルになったら「着手金は返金しない」とあらかじめ宣言しておくのも大事なポイントです。逆に、自分の都合により途中キャンセルするとき、すでに受け取っている着手金の取り扱いをどうするかについても定めておきましょう。

 

4.納品や検収、修正対応

クライアントから示されたレギュレーションや発注書に沿う内容であれば、成果物を納品した段階で検収完了になることもあります。一方で、ほとんどの場合は「基準に達していない」、「クライアントが示した意図と違う」などの理由で修正対応を迫られることになります。しかし納品後、クライアントの都合で検収作業が後回しになってしまい、しばらく修正指示も検収完了の連絡も来ない、という事態もあります。それを避けるため「速やかに内容確認を行うこと」や「納品後7日以内に連絡がないときは承認されたとみなす」などを契約段階で約束しておくと良いでしょう。

また、納品後に何度も修正依頼がくると他の業務に支障が出てしまいます。そのため「無料での修正対応は2回まで、それ以降は別途料金が発生する」など注意事項を記載しておく方法もあります。この場合、納品物がレギュレーションや発注書の内容から大きく逸脱していないことが条件となりますが、修正回数を宣言しておくとクライアントも無意味な修正指示を出さなくなるはずです。

 

5.瑕疵担保責任

瑕疵担保責任とは、納品後に制作者のミスで予期せぬ不具合が発生した場合、○日以内なら無料で修正対応に応じることを記した項目です。瑕疵担保の期間は、一般的に90日以内と設定されることが多くなっています。ただし初期的な欠陥や制作者側に原因がある不具合に限る、として、クライアント側ですでに何か手を入れてしまっている場合は該当しないということを明確するのも重要です。

 

6.キャンセル料

万が一、クライアントの都合で案件が途中でキャンセルとなった場合を想定し、キャンセル料についての規定を定めておきましょう。多くの場合は「(クライアントの都合で)キャンセルする場合は、着手金を放棄すること」という内容で合意します。

 

7.仕様書の変更、納品後の対応

案件を進める中で、仕様書とは違う内容に変更するよう求められることがあります。変更の程度にもよりますが、大幅な路線変更には別途料金を支払ってもらえるようにしたいものです。また、検収後にクライアントの希望で修正依頼があったときは追加費用で対応する旨も確認しておきましょう。

 

8.著作権

検収後、対価が支払われた時点で、著作権はクライアントに移転する旨を定めた契約書がある一方、納品後も著作権は制作者側にあり続けることを明記した契約書もあります。特に、イラストや写真などは納品物を勝手に二次的利用されないよう求めたり、トリミングや拡大縮小などクライアントが自由に変更できる範囲を明確にしたり、クレジット表記を入れるか入れないかの判断をしたりなど、著作権に絡むさまざまな交渉があります。この部分を曖昧にしておくと後々トラブルになることが多いので特に注意しましょう。

実際には、著作権の中でも「著作財産権」(営利目的で使用するときに生じる権利)と呼ばれる部分については、クライアントに譲渡することが多いのが現状です。一方で制作者の権利を守るための条項については別途定めておき、勝手にアイデアやノウハウが流出したり、商標権登録など一方的な権利主張が起きたりしないようにしておきましょう。

 

9.秘密保持

業務で知りえた内容については秘密情報として扱い、第三者に知らせたり他の業務に使用したりしてはいけないことを定めます。

 

10.不可抗力

天災や不慮の事故、疾病などの不可抗力で業務が遅延したり、完了できなかったりしたときは責任を問わず、双方の話し合いによって今後の対応を決めること、などを決めておくと安心です。

 

 

お仕事を契約する際に必要となるのは、契約書だけではありません。丁寧に契約を交わしお仕事を完了させる場合には、見積書→発注書→契約書→受領書→請求書の5つの書類が必要になります。

 

これが基本的な契約から納品までの流れですが、省略されることが多いのが現状です。また、契約書に関しては、クライアント側から提示されることもあります。トラブルが発生した場合、契約書を交わしていれば回避できます。クライアントから契約書を提示された場合には、内容をよくみて問題がないか確認します。提示されなかった場合には、フリーランスが作成しクライアントに提示しましょう。